アメリカのピックアップトラック文化
皆さんはピックアップトラックを知っていますか?
ピックアップトラックとは名前の通りトラックです。そのままですね。
今回はピックアップトラックについての記事を長々と書いていきます。私自身が知っている情報を公開していくだけなので間違った情報、勘違い等が必ずありますのであまり本気にしないでください(笑)
ピックアップトラックとは、主にアメリカで発達した自動車文化ですが、世界各地で利用されている自動車です。
日本ではあまり人気のあるものでは無いのですが、国産メーカーからも昔は販売されていました。人気が衰えたのか?どこのメーカーも販売しない時期があり、その後最近国産メーカーからもまた販売されてきて、アウトドアブームの現在これからさらに人気が出てくるのではないかと思います。
日本のトラック
ピックアップトラックの紹介をする前に、日本のトラックを紹介します。
日本人のイメージするトラックとは、下の画像のようにいかにも仕事で利用するような商用車を想像しますよね?
車両の前面が切り立っていて、四角い形で、運転席の下にタイヤが配置されている定番の形状です。
このようなトラックはキャブオーバートラックと分類されます。
スペース効率に優れていたり、簡単に(簡単ではない)荷台をダンプ仕様や配達仕様など様々な車体のバリエーションに変更しやすいので、日本やヨーロッパで普及している合理的なスタイルです。
車体サイズは、約2トン積みの小型、約4トン積みの中型、約10トン積みの大型があり、車体の仕様等により増減します。
ピックアップトラックとは
上記の画像の自動車がピックアップトラックです。
先程のキャブオーバータイプのトラックとは大分印象が違い、最近人気のSUVタイプの乗用車のような雰囲気があります。
ですが、これがアメリカで一般的な商用トラックです。
正確には商用トラックではなくて、日常の足や趣味に使用されるアメリカでの自動車といったらこのタイプが思い浮かばれると思います。
画像のピックアップトラックはキャブオーバーとは違い、車体前面(フロント部)が長く、ドアが4枚あり、荷台が小さいですよね?
フロント部が長いのは、衝突安全性を考慮した形状で、ドアが4枚ついているのは、後ろにも乗車シートが装備されていて定員が5~6名乗車出来るようになっているからです。(車体形状によっては2~3名などもある)
荷台が小さいのは、フロント部と乗車部(キャビン)が長いのであまり長い荷台が付いていると車体が大きくなりすぎるので画像のように短い荷台がついています。また車体バリエーションによりキャビン、荷台の長さは様々です。
先程のピックアップよりもチープな商用向けのグレードももちろんあります。
簡素な外装と内装、鉄チンホイールに最小限の装備で購入費用を抑えて、現場へ導入しやすいモデルが各社から販売されています。
また、ピックアップトラックは不整地での走行も重要視されています。農作業や建設現場だったり、海外では郊外のメインストリートを外れると道路が整備されていないことも多いので4輪駆動で車高を高くとったモデルがポピュラーです。
主な車種
主な車種は、アメリカ自動車メーカー大手のフォードからFシリーズ、GMからシボレーのシルバラード、クライスラーからダッジブランドのラム。
日本メーカーのアメリカ法人から、トヨタのタンドラ、日産のタイタン、ホンダのリッジライン、いすゞのD-MAXです。
ピックアップトラックには、フルサイズと少し小さいミニトラック(ミッドトラック)があります。
フォードで言うと、F-150がフルサイズトラック。
レンジャーがミニトラック(ミッドトラック)です。
ミニトラックと言っても最低全長5m以上、幅1.8m以上はあるので日本人の感覚からしたら大きな部類です。
フルサイズだと最大全長6m以上幅2.4m近くになります。
ピックアップトラックの内装
昔のピックアップトラックはチープな内装が多かったのですが、近年はまるで乗用車のような内装がグレードによりおごられています。
デジタルメーターや大画面モニター、レザーのパワーシートにシートヒーターやシートクーラーなど今時の乗用車に必須の装備が標準かオプションで装備可能です。
キャビンサイズによりリアシートがついて5名乗車だったり、フロントシートに3人座れるベンチシートが選択できたりもします。
実用車なので収納やギミックが豊富で、シートを跳ね上げた下に収納があったり、フロア下に隠し収納があったり、センターコンソールがテーブルになったりと仕事や日常利用に便利な機能がたくさんついています。
ピックアップトラックの用途
上で説明したようにピックアップトラックは仕事でも使用されたり、日常生活やレジャーで使用されたりします。
土や砂利、牧草だったり廃棄のゴミを載せたり。
休日にボートをトレーラーに載せて釣りやパーティをしに行ったり。
キャンピングトレーラーを牽引して、家族や仲間と大自然で長い時間をゆっくり過ごしたり。
と、ピックアップトラックはアメリカ人の生活に根付いている大切な文化です。
正直ピックアップトラックの説明は上の4枚の写真を見せればそれがピックアップトラックの全てだと私は思っています(笑)
乗り手のアイデア次第でなんでもできるのがピックアップトラックの良いところです。
価格
ピックアップトラックは商用モデルから、高級グレードまで用意されているので価格はピンキリですが、ミドルサイズの一番安いモデルで約26000ドル。
フルサイズで約30000ドルからで、グレードや車体サイズにより最大で100000ドルオーバーにもなったりします。
V8エンジン
アメ車と言って思い浮かぶのはV8エンジンですよね?私はそうです。
マッスルカーやレーシングカーに搭載されたハイパワーエンジンです。
このV8エンジンはピックアップトラックにも搭載されています。というよりか、セダンやワゴンなど色々な車に搭載されているアメリカで一番人気のあるエンジンです。
ピックアップトラックは業務で大量の荷物を運んだり、巨大なトレーラーを牽引したりすることが多いので、力のあるエンジンが求められてきました。
1940年代?位からV8エンジンがピックアップトラックに搭載されだして、徐々に一般的になっていき、現在の大パワーのピックアップトラックが出現しました。
ですが、最近は環境汚染や、燃費等の問題で徐々にV8エンジン搭載車が減ってきており、V6ダウンサイジングターボ等が増えてきています。
ハイパワーモデル
商用車から、高級仕様まであるピックアップトラックですが、中でも人気のあるモデルは力自慢のスポーツモデルが一番人気で車好きの憧れの的です。
フォードから V6 3.5Lエコブーストで出力450馬力に専用足回りのF-150ラプター。
ラムからV8 6.2Lスーパーチャージャー搭載702馬力のモンスターエンジンを搭載するラム1500 TR-X。
シボレーからは上記の2車種ほどのスペックはありませんが、V8 5.4L 355馬力のトレイルボス。
どれも価格は50000ドル以上しますし、TR-Xは70000ドル以上もする高級モデルですが、どれも非常に人気のある車種になってます。
ピックアップトラックの燃費
最後にアメ車を語るうえで避けて通れない燃費の話です。
先に言ってしまうと、現在のピックアップトラックの燃費は、燃費重視のモデルであれば昔と比べ相当改善しています。
フォードの3.5Lエコブースト搭載車であれば、7km/l~9km/l走るそうですので、日本でも郊外であれば6km/l~8km/lは伸びると思います。
ちなみに2010年前後のV8搭載車だと5km/l~6km/l程度。
2000年前後で大体5km/l代。
1990年代だと4km/l代だそうです。
どの年式も高速道路の一定走行であればもう少し伸びると思われますが、大排気量で車重のある車種なのである程度は仕方のないことだと思います。
また、どのモデルも燃料タンクの容量が100リットル以上入るので日本で乗ると空っぽから1万円では満タンになることはまずあり得ません。
2022年にはフォードから完全電気のEVピックアップトラックが発売されるのでこれからはガソリン代で悩むこともなくなることでしょう。
これからのピックアップトラックの進化が楽しみです。